感動した話

肩の関節を安定させている組織で、腱板(ローテーターカフ)があります。

棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋という筋肉なのですが、腕を上げる筋肉は棘上筋だと言われていて、野球のピッチャーが良くやる軽いダンベルやチューブを使ったエクササイズをトレーニングやリハビリで行うことがあります。

 

以前、肩に痛みのあるピッチャーに病院に行ってもらいMRI診断を受けると、骨頭の上部の断裂があるので棘上筋断裂という診断をされたことがありました。本人も腕を上げる時に痛みを感じて、MRIでもそのように診断されたので棘上筋のリハビリが必要だということいなったのですが、実際に肩の筋肉を触ってみると棘上筋ではなく棘下筋の方が委縮してるような状態になっていることがありました。

似たようなケースが何度かあり不思議だったのですが、のちに実はいままで棘上筋の機能だと思っていた外転作用を最も強く持つのがが棘下筋だったと判明したのです。

棘上筋、棘下筋のねじれが原因で、解剖学的な知見と、現場の感覚が違っていたのです。

ダビンチの時代じゃあるまいし、平成になっても新たな解剖学的発見があるのか!と人体の不思議に感動した話。